椿という漢字は、日本でできた字だそうです。と言うことは漢字ではなく、日本字と言うことでしょうか…。
木へんに春と書いて椿。
長く厳しかった冬の終わりの名ばかりの春に、花を咲かせてくれる姿が、字になったのでしょうか。字の通りなら、春の花だったんだ。
フルタイムで仕事をしていた数年前、東京には珍しい雪の朝、通勤途中の歩道の雪の上に、白い椿の花を見つけました。白い肉厚の花びらの柔らかい表情と、黄色い花芯と、淡い雪とのコントラストが、甘くて優しくて美しくて、仕事のことで殺伐としていた心を、慰めてくれているようでした。
椿の魅力は、散り際のいさぎよさでしょう。
僕も椿のように、最後はいさぎよくできるのかな……。
写真は、縦16cm×横37cmのまな板皿です。
表面は、艶やかな濃緑色の葉の中に、凛と咲く初春の一輪を。
裏面は、秋の草花に満月です。煌煌と輝く月に一筋の雲です。
遊び心で、三角や段々、丸形や獅子形などの六つの足をつけてみました。
アトリエでの地物のお刺身が、一層美味しくなりそうです。
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