沙羅

いつもの散歩の道すがら、椿によく似た花が咲いています。散歩のたびにスケッチをしていた花は、純白の薄い花びらが5枚、花芯は黄色、葉は椿より肉が薄く淡い緑色。樹皮はつるっとしていて、オーカー色の綺麗な斑模様です。

昨日咲いていたのに、今日には咲いたままの姿で、下草の上にいくつもいくつも落ちています。たった一日の儚い命です。

先日テレビで、気になっていた花が沙羅だと知ることができました。


釈迦は、「形あるものは必ずこわれ、生あるものは死ななければならない」と、この木の下で説かれ、涅槃に入られたとか。お釈迦さまの沙羅双樹とは違うそうですが、日本では似ているこの花を、沙羅と呼んだそうです。

「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす。」平家物語の冒頭に出てくる花も、この花だったのでしょうか……。


形あるものは必ずこわれ、この世にある一切のものは無常だけれど…、いや、だからこそ作り続けたい。

形のあるものを作りながら、形の無いこわれない何かを、求めているような気がしてならないのです。


気になっていた花、沙羅の別名は夏椿だとか。また椿でした。そしてまだ椿から離れられないでいるようです…。

昨夜手びねりの生乾きの湯呑とカップに、沙羅の花を描きました。何故か唐草模様も一緒です。