ガラスの中には、エタノールと水とアンモニアと硝酸カリウムと樟脳が入った、不思議で謎めいた計器、それが写真のストームグラスです。
嵐が近づくと内部に入っている液体が、結晶して変化すると言われている、密封のガラスびんです。
1863年に出版された、ロバート・フィッツロイの「Weather Book」では、気温や気圧や大気中の電位の変化に影響を受けて、ストームグラスが結晶化することにより後の天候を予知でき、また現象の変化により雷雨がくる方向までもを、読み取ることが出来ると記述されていたそうです。
19世紀のヨーロッパでは、航海時の天候予測器としてフィッツロイ・バロメーターと呼ばれる、水銀気圧計、温度計、ストームグラスを一組にした計器を配備したそうです。
「海底2万マイル」のジュール・ヴェルヌのSF小説の中の、最新鋭の潜水艦ノーチラス号の船内にも設置されていたとか……。
科学が発展した現代では、結晶化現象に謎が多い事がわかり、詳細は研究の途上とか……。
ほらほら、ストームグラスって面白そうでしょう。
はじめの写真は、一昨昨日の購入した晩にアトリエでグラス全体を撮影したものです。まだこの時は、グラスの底に細かな白い粉のようなものが溜まっているようにしか見えませんでした。
そして、左の写真は一気に変化が始まった先ほど撮影したものです。
細かな粉のようだったものが、細い針のようなものに変化し、規則的に並ぶ羽根形状の美しい結晶になってきています。
さあ、雷雨がくるのでしょうか。嵐がくるのでしょうか。
いったい何に反応しての結晶なのでしょうか…。
天候予測器としても神秘的な魅力を秘めていますが、何はさて置き真っ白な繊細な結晶が変化し続けるだけで、ただただ綺麗で引き込まれてしまいます。明日はどうなっているのでしょう。台風12号が近づく今週末からは、いったいどのような変化が起きるのでしょうか…。
当分は、このストームグラス(おもちゃ)から目が離せません。
コメントをお書きください