本焼成

昨日の雨の止み間を狙って、窯出ししました。釜場は庭の東側の隅の小暗がりです。雨が止むと何時もの通り、待ってましたとばかりに蚊が襲ってきます。

窯内温度148度で少々熱々ですが、待ちきれず窯出しです。軍手を2枚重ねしても、あっちっちっです。特に重たい棚板を持つと、火傷をしそうなくらいの熱さです。この焼き上がったばかりの熱々を出している時に限って、やぶ蚊達が登場します。こんな年寄の不味い血でもいいようで、あっという間に2~3ヶ所も刺されてしまいました。L,M,S,XSの4サイズの、ボディーが白黒のストライプ柄の強面の蚊です。LやMサイズのものは、綿パンの上からだって刺してきます。SやXSのものは、老眼で見つけにくくて、ついつい刺されてしまいます。蚊取り線香を足元と腰にさげていても、ダメなときはダメです。

 

写真は、呉須の下絵付けの30cm直径の大皿です。思いの外、古信楽の細目白土の地肌の色が甘いクリーム系の白色で、全体的に柔らかな印象のお皿になりました。呉須の濃淡を思うようにコントロールするには、まだまだ頻度という経験が必要のようです。

 

昨夜、雨が降る深夜のアトリエの中で、チーンチーンと大皿が高い音を響かせていました。窯出し直後から冷めはじめると、釉薬と粘土の伸縮度の違いで貫入が入り、優しいこの音がします。窯出しの日は何時ものことだけれど、昨夜はチーンチーンと、いつもに増していい音がします。涼しくなった静かな秋の夜に、切ないほどの哀しいくらいの音が響いていました。