3つ目の黒茶碗です。
手びねりで成形し、口から胴にかけてヘラでサクッと面取りした、小振りの筒茶碗です。口周りは手びねりなりの凹凸を残してヘラで整え、少し厚目の口作りにしました。高台脇を荒くザックリとヘラで削った、低目の高台です。
何度も掛けられ、その度に焼成された釉薬が、重なり合い見え隠れする黒色の中の様々な黒の表情が魅力的で好きです。偶然にも微かに残ってくれた2本の黒釉の流れも、この茶碗の景色になってくれています。
寒い山之郷から、暫くの間は東京で冬ごもりです。来年の3月からのアトリエでの、残りの3碗の本焼成を今から待ち遠しく思っています。
思い切って釉薬を変えたり、釉薬の掛け方を変えたり、そして焼き方も変えたりして、違う表情の茶碗が焼き上がったら……。
などと、焼き上がる前から想像ばかりが膨らんでいます。
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