高さ23cmの経筒型の香炉です。
お気に入りの古伊万里や九谷、景徳鎮などが並ぶサイドボードの前に置いてみると、暮れかかった8月の傾いた陽ざしの中で、経筒型の香炉がキラキラと輝いています。
染付の呉須のコバルト色と九谷の赤とサイドボードのローズウッド色と織部の緑釉とが、何とも言えないレトロっぽい黄色い光の微妙な調和の中にあります。心が揺れているのでしょうか、僅かに光が揺れているようにも見えます。
そしてゆっくりだけれど確実に動いてゆく影が、時の儚さを教えてくれています。
ああっ、この傾いて黄色く染まり始めた光の中でも、やっぱり織部の緑はいい、なにしろ綺麗だ。
思わず、iPhoneで撮影をしてしまいました。
わずか数パーセントの酸化銅が、陶土の上でこんなに魅力的な緑色になるなんて……。
織部の緑に魅せられて作り続けているけれど、作っても作っても自分の織部に至らない、そして作り足らない思いがあります。
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