ロウソク立ての制作中です。
ここに来ての台風の度にアトリエでは、停電をしています。
そうそう東京でも5~60年前のその昔は、しょっちゅう停電していたものでした。台風の時はもちろん、そしてそうでなくてもたびたび停電していました。夕食の最中に突然パチンと音がして、真っ暗闇なんてことは日常茶飯事で、各家庭では何時もロウソクが用意されているのは、当たり前でした。ロウソクのゆれる灯かりの下での食事も、なかなかおつなもので楽しかったりしたものですが、蚊帳やトイレは、本当に怖かったのを覚えています。蚊帳やトイレの壁に自分の影がゆらゆらと揺れ動いて、何か得体の知れない生き物が、すぐ近くで動いているようで、怖くて怖くて、度々母についてきてもらったりしていたのも、今になればいい思い出です。
そうして忘れてしまっていたあの闇の不便さと、懐かしさと、何とも言えない魅力を、今回の停電で思い出してしまいました。
停電の時の灯かりは、懐中電灯より、何と言ってもロマンチックな揺れるロウソクの灯かりでしょう。などと言いながら、ロウソク立ての制作中です。粘土の成形はできたけれど、焼き上がりまではまだまだかかりそうです。台風シーズンが終わらぬ内に、焼き上げなくては……。
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