椿リバイバル

まだ咲いてもいない椿の花が、頭の中で沢山咲き始めてしまって、あれれっ、また椿なんだ……。

 

素焼きが終わった、信楽の赤白土1:2のいつものブレンド粘土の中皿6~7枚、古信楽細目土のカップや蕎麦猪口10個に絵付けをしようと始めたら、突然再びどうしようもなく椿の花が描きたくなってしまい、頭の中をぐるぐるしている椿を、思わず書き殴ってしまいました。何枚描いても気持ちが収まらず、時間も忘れてしまったほどでした。

描き終わったら、何とも気持ちがいいではありませんか。

何だったのでしょうか、現実の世界とは違うところへ行ってしまったかような……。それでもまだ描き足りない気分でいます。

 

乳鉢で弁柄を何度も磨りながら、花は弁柄を小筆で繊細にとか、白い花と赤い花は茶呉須でなどと考えていたものの、描き始めたら止まりません、構わず一気描きです。枝や葉は、ええーいっとばかりに、太筆でダダダダッと素焼き地を叩くようにすると、はじけて飛沫のように飛んだ弁柄もいい調子です。この調子に乗って筆を振ると、血しぶきのようになったりして。そうです、本焼成前の弁柄は血の色の様にまさに真赤です。そしてそれらの間隙をぬって、3つのPが思いっきり踊っちゃっています。PICCOLO PACE PIANO”ささやかな 平安を 少しずつ”です。何時もの作陶のテーマであり、僕が大好きな3つのPです。写真は、血しぶき?のおとなし目のもを選らびました。あはははっ……。