体を持て余し気味の東京で、お線香作りです。
昨年の作陶展のときに香炉をお買い上げいただいたお客様に、お部屋焚き用に気楽に香りを楽しんでいただこうと、今日は一日お線香作りでした。いつもは練り香を中心に作っていますが、やはり使い勝手と手軽さから言ったら、やはりお線香でしょう。
香りは最近のカタカナでいうアロマなんたらとか言う、新しい香りではなくて、昔ながらの材料で、そして大昔の方法で作る、なんとも古臭くて懐かしい香りがするお線香になります。
だんだん貴重品になりつつある東南アジア原産の沈香を中心に、白檀、乳香、丁子、甘松香、麝香、貝甲香などに、糊分として椨の木の葉の粉と水を加え、粘りが出るまでよく練った後、指先で直径1cmほどの平たい丸形に成形し、光の印を押して乾燥させたのが、写真の変てこな形をしたお線香です。
ローズやラベンダーなどの優しい爽やかな香りもいいけれど、これは、おばあちゃんの家の和箪笥の中の香りと、森の中の渋いような苦いような地味な香り同士が混じり合った、深くてそして静かな香りがします。僕の大好きなお線香です。
コメントをお書きください