昨年の秋の終わり、アトリエ近くの友人宅からの帰り道、雲間に見え隠れしていたスーパームーンが、畑地に描いた光の世界が印象的で、思わず26cmの飴釉の八角皿にしてしまいました。
思いもよらず遅くなってしまった帰り道、真っ暗な夜道を見え隠れする遠くの街灯を目当てに歩いてゆくと、黒々とした畑地が広がる何時もの場所が、あれれれっ、まるで雪原のように真っ白です。
道には木立や電柱の短い影が、くっきりと点在しています。そうか、確か今日はスーパームーンだったか、、、などと言いながら、見上げれば雲間からほんのチョット大きめなのでしょうか、青い月が顔を出しています。
僕の歩調と合わせるように、月も雲も僕に付いてきます。白い道には、僕の靴の下から広がる鋭角な漆黒の影が、やはり僕の歩調に合わせるように付いてきます。冷たい乾いた風の中に、透明な月の光の中に、僕の嫌いな冬の気配が満ち満ちていたけれど、あの夜のあの瞬間が忘れられず、生乾きの皿に一気描きです。パールグレイの雲間から顔を出したスーパームーンが、黒い畑地を白く輝かせた光が、そして点在する漆黒の影が、今も頭の中をグルグルしています。
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