呉須下絵の還元焼成の鉢です。
白御影土で大きく厚作りにして、ほどほどに重量感が感じられる鉢にしました。
口作りは思い切って厚手にしたことで、一層の存在感を増した感じもしています。少々重いのが難点ですがね……。
呉須下絵の魅力は、何と言っても呉須の繊細な濃淡の美しさです。
ここ数年、面相筆や仮名筆やダミ筆やゴシック筆などの筆の種類と、太い細いを変えながら、庭の草木を描き続けていますが、ここに来てやっと呉須の濃淡が、不十分ながらなんとかかんとか言いながら使えるようになってきています。
それでもダミ筆による薄めの呉須を利用した、溜まりの微妙で繊細な表現などは、まだまだ納得できず、頭かきむしり状態です。
何しろこの太筆を使って描く場合は、呼吸と共に勢いで一気に描く、気持ちの奥底の潔さがどうしても必要のようでならないのです。そして、この瞬間に何時も何かの修行の様だとも、思ってしまいます。座禅を組むことも、滝に打たれることもないでしょうが、今一歩さきに進みたいと思っています。
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