今まで何年も見逃していたのでしょうか、今年の4月上旬にアトリエ前の側溝の周りに、この可愛いやつを初めて発見した次第です。春の盛りです、伸び始めたさまざまな雑草の間から、何本もにょきにょきっと、個性的なベージュ色のこの顔が並んでいました。見れば見るほどそれぞれが愛嬌のある可愛い顔をしています。背筋がピンと伸びた若い元気な顔もあれば、腰が少々曲がったうなだれ顔も、僕のような痩せっぽちもおデブも、中には胞子を飛ばし終え、倒れかけたものもあったりと…。
気になり始めたら、描かずにはいられない悪い癖のスイッチが入ってしまったようで、スケッチブックには、葉形の違いや緑色の濃淡の違う雑草の間から顔を出した、ベージュー色のつくしんぼのオンパレードです。何本も描いても描いても飽きることがありません。
写真は、白御影土に青呉須で下絵付けして、還元焼成した中鉢です。
呉須下絵の魅力は、藍色の繊細な濃淡の美しさでしょう。ここにきてやっとほんの少しですが、この濃淡の表現の方法と、濃淡に合わせた筆選びが、分かりつつあるようで、呉須で描くのがおもしろくてたまりません。とは言うもののまだまだですが……。
この鉢の淡い背景色の表情も気に入っています。
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