お初の土鍋

女房からのかねてからのオーダーにやっと作った、お初の土鍋です。

私たち夫婦も歳をとったせいで食が減り、夕食に炊くご飯の量がついに0.8合になってしまい、だんだんと電気炊飯器では、美味しいご飯が炊けなくなってきている、そんなタイミングでのご飯炊き用の土鍋のオーダーでしたから、二つ返事でほいほい作ってしまいました。オーダーから5年越しの土鍋二つです。

さてさて、自作の土鍋で炊いたご飯は、ふっくらとした炊きあがりで、驚くほどの美味しさです。ご飯の独特の香りと共に甘味も旨味も充分にあって、そして勿論おこげも存分に楽しめ、申し分なしです。おかげで、夕食の0.8合のご飯から1合に、増えてしまいました。あはははっ。

5年ほど前に買った土鍋土を、納屋から引っ張り出し、半分硬くなり始めた粘土に、水を加えながら何度も荒練りを繰り返し、2～3週間ほど寝かせてからのろくろ成形でした。鍋土にはペタライトが40～50％ほど入っているそうで、これにより耐火度が増し直火でも割れない器ができるそうです。

写真は、蓋に弁柄下絵に卯の斑釉薬の1合炊きと、呉須下絵に白マット釉薬の1.5合炊きです。持ち手と本体にはそれぞれ艶黒釉薬を施しました。釉薬がペタライトに反応して、マット調のいい雰囲気の仕上がりになっています。

電動ろくろでの作陶は、このペタライトが荒いザラザラの砂状態で、指の指紋が無くなってしまいそうです。それでも土鍋作りにハマっていて、ただいま大小合わせて5個ほど作っている最中ですが、スマホの指紋認証が全く使えなくなってしまいました。