織部の甕

高さ35cmの織部の甕です。

 

久しぶりのひも作りでの作陶でした。作っている最中は高さ40cmを、優に超えていたのに、焼き上がってみれば、小さくなった感じがします。粘土成形から本焼きまでで1.5~2割は縮みますから、大きなものほど、驚くほど小さくなります。

 

底から胴の下方は丸く、胴から口周りにかけては、少しずつ六角形に変わってゆくデザインです。外側には叩き板のひし形の文様に、渦巻き柄や丸柄や円筒柄、そして櫛目などを全体にいれ、飴釉薬や織部釉薬の釉調の濃淡による変化をねらってみました。

 

六角形のそれぞれの六辺の口の上には、人間の代表的な感情である六情の、喜、怒、哀、楽、愛、憎をイメージした、6種の形の違う持ち手をつけました。

 

2倍に希釈した飴釉薬を、内側と外側に柄杓でムラ掛けし、その上から織部釉薬を、やはり掛けムラをねらいながら、たっぷりと掛けました。

全体をしっかり乾かしたあと、織部釉薬の間から見え隠れしている飴釉釉薬の部分に、黄瀬戸釉薬を霧吹き掛けして、飴釉薬の中に荒い霧吹き掛けの濃淡の表情で、古びた感じを狙ってみたのですが、どうなのでしょうか……。

 

大きくて重い甕の釉薬掛けは、腰痛が常態化している僕には、なかなかのものです。そして僕の2本の手では足りず、女房殿に2本をお借りして、何とかなりました。

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コメント: 2
  • #1

    sowa (日曜日, 27 5月 2018 18:25)

    久しぶりにお訪ねしました。
    織部釉薬が大胆に流れていて、いいですね。
    喜怒哀楽に愛と憎を加えると、人の6つの感情になるんですね。この6つの不思議な形をした持ち手が、永島さんスタイルの独特な織部になっています。不思議なこの甕、私は好きです。

  • #2

    koh (月曜日, 28 5月 2018 12:36)

    sowaさん、ご訪問ありがとうございます。
    sowaさんだけが久しぶりではなく、ブログの更新自体が久しぶりでした。実は、東京からアトリエにPCを持って帰るのを忘れてしまい、三週間ぶりの昨日になってしまいました。ごめんなさい。まあ、作陶が面白くなると、他の事を忘れてしまう悪い癖があって、度々ブログ更新は後回しになったりもしています。