白くない白萩

初めて作った釉薬は、大失敗の全く白濁しない白萩釉でした。

 

つい先日庭の隅に転がっているこの花入れを見つけ、思わず苦笑しながら、庭に咲き始めた小菊を入れてみました。口周りが欠けているけれど、そこも何とも言えない懐かしい白くない白萩釉の花入れです。

 

ここ山之郷にアトリエをかまえてすぐの頃だったと思います。初めて作った白濁するはずの白萩釉です。

予定では、花入れ全体に軽く失透した地肌に、口周りから肩周辺にかけて、とろっと白濁した釉薬の溜りができていて、この花入れの景色になっているはずでした。

ああっ、なんということでしょう、全く白濁していないのです。ただの透明釉と同じの焼きあがりです。ガッカリしました。経験がないのだから当たり前なのですが…。粘土と釉薬との相性の問題なのか、焼成温度や時間の問題なのか、それとも釉薬自体の問題なのか、藁灰も入れたのに?????。

何もかもが全くわからない、全てが手探りのあのころでした…。あはははっ、懐かしくて、ただただ懐かしいだけでした。