初めまして。
こんにちは。
今日からブログのスタートです。
山之郷のアトリエから、作陶現場のこと、四季折々の美味のこと、ごはんのこと、
庭の草花のこと、隣家の飼い猫の白吉(本名:白吉右衛門)のこと……。
そして、白吉を始めとするアトリエの来訪者のことなどを、少しずつ書いてゆこうと
考えています。
作陶の合間のブログ更新です、決してマメでない僕ですからどうなりますか。
長い目でみてやってください。
白吉
昨夜の嵐がうそのような、気持ちのいいお天気です。
山之郷ブルーの真っ青な空が広がっています。
アトリエは一年で一番いい季節になりつつあります。
今日も白吉が、友達の家に来たかのように、アトリエを訪ねて来ました。
濡れ縁の先のたたきの木洩れ日の中、寝転がっています。
”遊びにきてやったよーっ”
”撫でさせてあげるよーっ”と、僕を待っています。
性格が優しくておとなしくて、従順で人懐っこい、
そしていつもご機嫌がいい犬のような猫です。白い猫は大きくなるというけど、ホント気持ちも体も大きな猫です。
白吉もう少しだよ、このブログ更新がすんだら撫でにゆくよ~っ。
黄瀬戸カップ
最近作の手びねりのコーヒーカップです。
信楽の白土に赤土を2:1の割合で混ぜて、これに新鍋白土を20%加えた
粘土で、手びねり成形しました。
鍋土が黄瀬戸の釉薬と反応して、緋色がいい色で出てくれました。
生乾きの状態で掻き落とし柄を施してから、持ち手を付けて一回目の
700度での素焼きです。次にこの素焼き後のカップに、濃い目の白化粧土を
掻き落とし柄に刷り込むように施します。そして最後に化粧土を残すところと、
美味しかったなぁ。
鰯のピリ辛甘露煮、玉子焼き、納豆、糠漬けのお新香(かぶとキュウリ)、
昆布の佃煮、小松菜のお味噌汁、そしてごはん。
山之郷のアトリエの今夜の夕食です。鰯がピリ辛で美味しくて、骨まで
柔らかく煮てあって、思わずご飯がすすんでしまいました。
美味しかったなぁ。
器は織部の手つきのお皿です。
直径23cm、高さ21cmの大きさです。
素焼き
昨日の予報を裏切り、いいお天気になりました。
梅雨までのこの乾いた空気が、焼成にはベストです。
このタイミングで、素焼き1回と本焼成1回をする予定で、
今朝5時に窯づめをして、お窯に火を入れました。
こんな感じにきっちりと詰めて、出来るだけ沢山の器をいれます。
手つきのカップが51個と、抹茶茶碗が3客、直径30cmの大皿が1枚、
直径20cmの中鉢が3つ、高さ35cmの花入れ(上段の右側)が1つの、
合計59個です。
湿気を十分に抜きながら、700度で焼成します。
明日の夜には、きっと焼き上がるでしょう。
今朝は4時に起きてしまったせいか、もうオネムです。
おすそ分け
初夏のアトリエの小さな庭は、緑と花と実の盛りを迎えています。瑞々しい葉には、青虫や毛虫やバッタの子供たちが、花には蜂や蝶が、木の実には鳥たちが、みんなみんな食べ放題です。小さな庭はビュッフェ状態です。
鳥たちはみんな早起きです。食べごろは、いつも鳥たちのものです。それでも今朝は、おすそ分けをいただきました。
オレンジ色は優しい甘さの木苺、赤いジューンベリーは程よい甘さと軽い酸味が特徴です。写真にはありませんが、他に甘~い桑の実、グミは甘味の後に酸味が、そして最後に渋味が襲ってきます。
素焼き~絵付けへ
先ほど、素焼きを窯から出しました。
まだ窯内温度は128度でした、軍手を2枚重ねでもアッチチです。一つ一つ点検しながら、ペーパーやすりを軽くかけ、しっかり絞った雑巾で綺麗に拭きあげます。59個全部を処理するのに、小一時間もかかってしまいました。
アトリエ内は、日中の熱気が残っているところに、素焼きの器がアッチチです。一汗かいてしまいました。雑巾をゆすぐバケツの水が冷たくて気持ちいいなぁ~。
さあ、これから弁柄(酸化鉄の下絵具)で絵付けを始めます。乳鉢の中に弁柄と番茶を入れ、これでもかとばかりに、そして気が遠くなるほど磨ります。磨れば磨るほど絵具の伸びが良くなり、細い線が思うように描け筆の運びもすこぶる良くなります。
絵付けは大皿1枚と中鉢2つとカップが4つです。大皿と鉢には椿の花を、カップには庭に咲いている真赤なひなげしを描く予定でいます。
絵付けは静かな夜に限ります。静か過ぎて、そして歳を取り過ぎて、耳鳴りだけが聞こえる晩もあります。今夜はクラプトン聴きながらいきます。
作陶の作業の中で一番大切で、慎重にならざるおえないのがここです。成形も楽しいけれど、僕はここの作業が大好きです。
キジの声
昨日の早朝4時半に起きて残りの釉薬掛けを済ませ、窯詰めをして本焼成の火を入れました。いえいえ電気窯ですから、火ではなく電気のスイッチでした。あははっ。
実はこの朝、庭でキジに鳴き続けられ、そして大きな羽音で目が覚めてしまいました。3月の中旬あたりから、彼女を探しているのでしょう。時々庭でケェーンケェーンと悲しい声をあげています。そろそろ恋の季節も終わろうとしているのに……。
お蔭さまで早起きができ、仕事が一気に進みました。
織部のたたら作りのお皿2枚、織部のひなげし下絵の手付きカップ4個、黄瀬戸の手付きカップ26個、飴釉の椿柄の中鉢3個、飴釉の椿柄の大皿1枚、合計36点です。
ここ数日雨がなく空気が乾燥しているところに、素焼きの直後のお窯での本焼成です。温度の上がり方も申し分なく、明日の朝には、窯出しができそうです。
明日の午後には東京に帰宅予定ですから、ベストのタイミングでの本焼成上がりでした。ありがとう、キジさまさまです。
昨夜は、前日の明け方までの絵付けと釉薬掛けで、猛烈な睡魔に襲われ、ブログの更新ができずじまいでした。何時もながら、本焼成のスイッチを入れたあくる日は、朝から余裕です。お窯の温度上昇グラフをつけながら、昨日の後片付けを済ませた後、直径30cmアップの大皿3枚を引きました。そして、近くのMacchinettaカフェへ。一年で一番の季節です。静かでのどかな山之郷のカフェで、至福の時を過ごします。
焼きあがりました。
今朝雨の前に焼き上がりを、窯から出しました。窯内温度はまだ140度以上もありましたが、降りそうなので無理をしました。軍手を2枚重ねても熱々でした。
織部のひなげし下絵のカップ2つは、化粧土と織部釉との相性が悪かったのか、素焼き地と化粧土とのくい付きがわるかったのか、釉薬剥がれをおこしてしまいました。たっぷりと厚手にかかった織部釉の色も濃くてなかなか良かったのですが、残念でした。
残りの34点の器は満足のゆく焼き上がりで、安心しました。
焼きあがりを縁側に並べてみました。窯内を5段の棚板で、写真のこの量で、これが今のお窯のいっぱいいっぱいです。
写真の右下の香取線香は、これからの季節ここでは必需品です。足元に2つと腰からも下げても、しつこく刺しにきます。
飴釉椿文大皿
昨日の窯出しのつづきです。
作陶を続ける限りは、いつも新しいものにトライしてゆきたい。
去年とは違うものを作る今年でありたいと思う。そういう意味で”変わらなきゃ”は、僕にとって良くも悪くも大切なキーワードです。
昨年暮れから描き始めた椿柄も、そろそろ終わりにしようと考えていましたから、今回は思い切って、信楽の赤土を使って椿文の大皿を作ってみました。
花と蕾の部分だけに白化粧土を施し花弁を線描きし、その他には抽象的な掻き落とし柄を存分に入れて素焼しました。素焼き後、雄しべと雌しべのある花心には、茶呉須をぬった後に透明釉を施し、それ以外には黒釉で茎と葉を描き、そこに飴釉を薄めにして流し掛けして、本焼成しました。
飴釉の釉調の濃い部分が赤く発色し、茎や葉の黒と、花や蕾の白化粧とのカラーバランスと、掻き落としの抽象柄が面白い30cm台の大皿が偶然にも焼き上がりました。
この椿文の皿を最後にするつもりで、思い切ったことをして、思わぬ効果を得ることができるなんて、ホント不思議です。
次回にはもう一度、この方法で椿文の器と、ひなげしの柄のものを、やろうと思っています。やっぱり、僕にとって”変わらなきゃ”は、良くも悪くも大切なキーワードです。
窯出しの続き
またまた、窯出しの続きです。
一昨日から東京の自宅です。山之郷は、からっとしていて気持ちいい季節だったのに、東京はなんて蒸し暑いんだろう。5月だって言うのに、どうかしてませんか。
昨日の孫の運動会と、仕事の打ち合わせと、通院のための数日の帰宅予定でしたが、もう既に暑さで疲れ果てています。
真夏も真冬も、東京と山之郷の温度差は5~6度も低く、真夏のほとんどは山之郷で、そして寒いのが苦手なものですから、真冬の3か月間は東京で冬籠りです。そうして冬の時期の暖かい東京で、集中的に手びねりのお抹茶茶碗と手付きカップを作ることになります。
この冬作った、100個近くの黄瀬戸の手付きカップは、今回の本焼成で終わりです。掻き落とし柄に白化粧土を象嵌したり、大好きな佐伯祐三のパリの風景画の壁をイメージして、柚子肌天目で汚しをしたりと……。いろいろやってみましたが、納得出来たものは半分ぐらいになってしまいました。それでもこれが最後です。またまた新しい次の手付きカップを探しにゆきます。
そろそろ梅雨入り
つい先達ての芽吹きが嘘のように、駒沢公園の欅並木は濃い緑の色に変わっています。今日から6月。早朝だというのに、充分に一人前の真夏の白い陽ざしが、歩道に黒々とした影を落としています。
自宅から最寄りの駅まで、12分ほどですが、この公園を通ると20分はかかってしまいます。それでもここを通るのが好きで、今日も早目に自宅を出てきました。仕事に向かう途中です。
早朝の冷たい空気が鼻腔をくすぐります。さまざまな植物達が醸し出す、さまざまな香りが重なり合い、静かで地味だけどグリーンノート調の爽やかで芳しい香りがします。気持ちのいい朝に、体に美味ないい香りがします。
深呼吸をして、急ぎ足で駅まで……。今日から明日の午前中の打ち合わせまでは、仕事モードです。そして夕方からは山之郷です。楽しみな作陶三昧の日々が、そして犬のような猫の白吉も待っています。
無作為の作為
一週間留守にしたアトリエの庭は、花と雑草が入り乱れぼうぼうです。花やハーブやミントのいい香りがしますが、もう足の踏み場もないほどのジャングルです。
この庭は妻の領域です。草刈や土起こしや枝落としなどの労働を、ただただ妻の命じるままに提供しています。
そして、さまざまな花や木が雑然と、何の法則も感じられないまま、育っている状態です。雑草が無くても、少々ぼうぼうの感じがしますが、僕には何とも心地のいい庭になっています。
ご近所からいただく花も木も、好きで購入したものも山で拾った種も、さまざまに育っています。虫に食べられながらも育っています。
作為がまったく感じられないこの庭が、僕は好きです。
防災用品
信楽の土で作ったキャンドルスタンドです。
一時期アトリエ周辺は停電が多く、最初の頃に防災用品として作ったものです。
これを使う時は暗闇で心細い思いをしているか、怖いことが起こっているはずですから、”父と子と聖霊”の三文字がラテン語で印字してあります。これで上手く最後の心の準備もできればいいのですが……。
きっと娑婆が魅力的だから、未練たらたらでジタバタしてるんだろうなぁ~。
信楽の白土2に対して赤土1に鍋土を15%加え、素焼き後に土灰透明釉薬を霧吹きでムラ掛けして、全体に緋色を出しました。
和ろうそくは、昨年滋賀に出張の際のお土産で買ってきたものです。びっくり、さすがの和ろうそく、いやいや全然違います。火持ちが良くて明るくて、昔からの物って凄いの一言です。恐れ入りました。
背景の水屋は、貧乏なのに昨年思わず衝動買いをしてしまい、妻とひと悶着の曰く因縁つきの水屋です。このお話は、また後日。
いよいよ梅雨入り。
昨日は、早朝からアトリエのあるここのコミュニティーの、草刈りと側溝の大掃除でした。草刈機で2回ほど給油して、そのままアトリエの南西側の庭も、何とかやっつけることができました。前日までの涼しさから一変、朝からの陽ざしに一汗かいてしまいました。
ここのコミュニティーは、アトリエを入れて全部で11世帯で、村とは別の独自の社会を形成しています。ごみ置き場も道も自分たちで、草刈りや木々の枝落としや側溝の維持管理も、自分たちですることになります。
年に数回、ご近所さんと一緒に汗を流す、ちょっとしたイベントです。
早朝から5時間、腰痛も始まり少々疲れたけれど、久しぶりにご近所さんと楽しくお話しができ、そして道や周辺が綺麗になりました。
綺麗になった道で、白吉も気持ち良さそうです。
それにしても、今日もまだ腰痛が続いています。参った~っ。
手びねりの湯呑
白象嵌の手びねりの6つ足湯呑3点です。
鉄分の多い粘土の焦げ茶色と、幾何学的な白の柄とのコントラストが、ちょっとお気に入りなんですが……。
信楽の特選赤土で成形~高台削り後、針で幾何学模様の線を描いてゆきます。掻き落とし柄とは言うものの、針先で削るというより、針のお腹を使って押すような感じで描きます。大小の丸は、焼き鳥の竹串元と丸箸の先と元とで、大小の丸を押して作ります。
ここで良く乾燥させてから、一回目の素焼きに入れます。素焼き後、濃い目の白化粧土をスポンジで柄に擦り込むようにしてゆきます。全体に乾きがきたところで、軽く絞ったスポンジで柄を確認しながら綺麗に拭きとります。口周りや足周りには化粧土を残し景色にします。
そして二回目の素焼きをし、丁寧にペーパーやすりで仕上げたのち、薄めの透明釉薬を霧吹きで施釉し、1,250度で本焼成しました。
〈残念だったなぁ〉
せっかくの手びねりなんだから、もっと指あと残せばよかったなぁ。
そして、そして、薄く作り過ぎたせいで、熱いお茶を入れるとアッチッチ……。
カフェ マキネッタ
作陶時、特に電動ろくろでの成形は、持病の腰痛の最大の原因になっています。時間を忘れて長くやり過ぎてしまった時などは、痛ったたたっと言いながら、まずは立ち上がり腰を伸ばします。そして歩くのがいいようで、よほどの雨でない限り、お散歩は必須の日課になってしまっています。そして、そのお散歩の途中や帰り道に、寄ってしまうのが、アトリエから程よい距離のカフェ マキネッタです。
このカフェをやっている林さんは、物腰が柔らかい静かな話し方をする方で、そして全てが丁寧です。庭の草刈から、ストーブの薪の積み方、勿論コーヒーやティーをいれる所作一つ一つまでもがです。
アメリカン タバーン(田舎の馬屋や納屋)イメージでしょうか。暖かな木の温もりが感じられる、ウッディーな雰囲気が素敵です。林さんの人柄そのままが、カフェになったようです。
コーヒーが飲めない僕は、いつもダージリンです。
このカフェの雰囲気も、林さんとの会話も、タージリンも、僕には欠かすことができない美味です。
トカゲの森
孫と一緒に作った、アトリエの玄関の塀の上に置く魔除けです。
タイトルは、孫がつけた”トカゲの森”です。
アトリエに遊びに来てくれた時には、必ず一日は一緒に粘土遊びをすることになっています。
春になると、アトリエの庭や濡れ縁の陽だまりに、トカゲがお昼くらいまで日向ぼっこをしています。茶色やターコイズブルーやピンキッシュのやつと、なかなかカラフルです。体が温まるまでは、少々触られても動けないようで可愛いものです。ピンキッシュオーカーのトカゲには、桃子という名前までついています。濡れ縁で花のスケッチをしていると、時々このスケッチブックを占領されてしまいます。人に慣れているトカゲなんているわけがないのにと、孫と一緒に笑ってしまいます。最初は怖がっていた孫も、今では人に悪さをしないトカゲに慣れたようで、このトカゲの作品になったようです。
大きな鱗のついたトカゲや目玉の大きなトカゲが、何匹も静かに幸せに住む不思議な森だそうです。
孫の自由な発想に、いつも驚かされることばかりで、僕が一緒に遊んで貰っているというのが本当のところでしょうか。
初めまして。
こんにちは。
今日からブログのスタートです。
山之郷のアトリエから、作陶現場のこと、四季折々の美味のこと、ごはんのこと、
庭の草花のこと、隣家の飼い猫の白吉(本名:白吉右衛門)のこと……。
そして、白吉を始めとするアトリエの来訪者のことなどを、少しずつ書いてゆこうと
考えています。
作陶の合間のブログ更新です、決してマメでない僕ですからどうなりますか。
長い目でみてやってください。
白吉
昨夜の嵐がうそのような、気持ちのいいお天気です。
山之郷ブルーの真っ青な空が広がっています。
アトリエは一年で一番いい季節になりつつあります。
今日も白吉が、友達の家に来たかのように、アトリエを訪ねて来ました。
濡れ縁の先のたたきの木洩れ日の中、寝転がっています。
”遊びにきてやったよーっ”
”撫でさせてあげるよーっ”と、僕を待っています。
性格が優しくておとなしくて、従順で人懐っこい、
そしていつもご機嫌がいい犬のような猫です。白い猫は大きくなるというけど、ホント気持ちも体も大きな猫です。
白吉もう少しだよ、このブログ更新がすんだら撫でにゆくよ~っ。
黄瀬戸カップ
最近作の手びねりのコーヒーカップです。
信楽の白土に赤土を2:1の割合で混ぜて、これに新鍋白土を20%加えた
粘土で、手びねり成形しました。
鍋土が黄瀬戸の釉薬と反応して、緋色がいい色で出てくれました。
生乾きの状態で掻き落とし柄を施してから、持ち手を付けて一回目の
700度での素焼きです。次にこの素焼き後のカップに、濃い目の白化粧土を
掻き落とし柄に刷り込むように施します。そして最後に化粧土を残すところと、
美味しかったなぁ。
鰯のピリ辛甘露煮、玉子焼き、納豆、糠漬けのお新香(かぶとキュウリ)、
昆布の佃煮、小松菜のお味噌汁、そしてごはん。
山之郷のアトリエの今夜の夕食です。鰯がピリ辛で美味しくて、骨まで
柔らかく煮てあって、思わずご飯がすすんでしまいました。
美味しかったなぁ。
器は織部の手つきのお皿です。
直径23cm、高さ21cmの大きさです。
素焼き
昨日の予報を裏切り、いいお天気になりました。
梅雨までのこの乾いた空気が、焼成にはベストです。
このタイミングで、素焼き1回と本焼成1回をする予定で、
今朝5時に窯づめをして、お窯に火を入れました。
こんな感じにきっちりと詰めて、出来るだけ沢山の器をいれます。
手つきのカップが51個と、抹茶茶碗が3客、直径30cmの大皿が1枚、
直径20cmの中鉢が3つ、高さ35cmの花入れ(上段の右側)が1つの、
合計59個です。
湿気を十分に抜きながら、700度で焼成します。
明日の夜には、きっと焼き上がるでしょう。
今朝は4時に起きてしまったせいか、もうオネムです。
おすそ分け
初夏のアトリエの小さな庭は、緑と花と実の盛りを迎えています。瑞々しい葉には、青虫や毛虫やバッタの子供たちが、花には蜂や蝶が、木の実には鳥たちが、みんなみんな食べ放題です。小さな庭はビュッフェ状態です。
鳥たちはみんな早起きです。食べごろは、いつも鳥たちのものです。それでも今朝は、おすそ分けをいただきました。
オレンジ色は優しい甘さの木苺、赤いジューンベリーは程よい甘さと軽い酸味が特徴です。写真にはありませんが、他に甘~い桑の実、グミは甘味の後に酸味が、そして最後に渋味が襲ってきます。
素焼き~絵付けへ
先ほど、素焼きを窯から出しました。
まだ窯内温度は128度でした、軍手を2枚重ねでもアッチチです。一つ一つ点検しながら、ペーパーやすりを軽くかけ、しっかり絞った雑巾で綺麗に拭きあげます。59個全部を処理するのに、小一時間もかかってしまいました。
アトリエ内は、日中の熱気が残っているところに、素焼きの器がアッチチです。一汗かいてしまいました。雑巾をゆすぐバケツの水が冷たくて気持ちいいなぁ~。
さあ、これから弁柄(酸化鉄の下絵具)で絵付けを始めます。乳鉢の中に弁柄と番茶を入れ、これでもかとばかりに、そして気が遠くなるほど磨ります。磨れば磨るほど絵具の伸びが良くなり、細い線が思うように描け筆の運びもすこぶる良くなります。
絵付けは大皿1枚と中鉢2つとカップが4つです。大皿と鉢には椿の花を、カップには庭に咲いている真赤なひなげしを描く予定でいます。
絵付けは静かな夜に限ります。静か過ぎて、そして歳を取り過ぎて、耳鳴りだけが聞こえる晩もあります。今夜はクラプトン聴きながらいきます。
作陶の作業の中で一番大切で、慎重にならざるおえないのがここです。成形も楽しいけれど、僕はここの作業が大好きです。
キジの声
昨日の早朝4時半に起きて残りの釉薬掛けを済ませ、窯詰めをして本焼成の火を入れました。いえいえ電気窯ですから、火ではなく電気のスイッチでした。あははっ。
実はこの朝、庭でキジに鳴き続けられ、そして大きな羽音で目が覚めてしまいました。3月の中旬あたりから、彼女を探しているのでしょう。時々庭でケェーンケェーンと悲しい声をあげています。そろそろ恋の季節も終わろうとしているのに……。
お蔭さまで早起きができ、仕事が一気に進みました。
織部のたたら作りのお皿2枚、織部のひなげし下絵の手付きカップ4個、黄瀬戸の手付きカップ26個、飴釉の椿柄の中鉢3個、飴釉の椿柄の大皿1枚、合計36点です。
ここ数日雨がなく空気が乾燥しているところに、素焼きの直後のお窯での本焼成です。温度の上がり方も申し分なく、明日の朝には、窯出しができそうです。
明日の午後には東京に帰宅予定ですから、ベストのタイミングでの本焼成上がりでした。ありがとう、キジさまさまです。
昨夜は、前日の明け方までの絵付けと釉薬掛けで、猛烈な睡魔に襲われ、ブログの更新ができずじまいでした。何時もながら、本焼成のスイッチを入れたあくる日は、朝から余裕です。お窯の温度上昇グラフをつけながら、昨日の後片付けを済ませた後、直径30cmアップの大皿3枚を引きました。そして、近くのMacchinettaカフェへ。一年で一番の季節です。静かでのどかな山之郷のカフェで、至福の時を過ごします。
焼きあがりました。
今朝雨の前に焼き上がりを、窯から出しました。窯内温度はまだ140度以上もありましたが、降りそうなので無理をしました。軍手を2枚重ねても熱々でした。
織部のひなげし下絵のカップ2つは、化粧土と織部釉との相性が悪かったのか、素焼き地と化粧土とのくい付きがわるかったのか、釉薬剥がれをおこしてしまいました。たっぷりと厚手にかかった織部釉の色も濃くてなかなか良かったのですが、残念でした。
残りの34点の器は満足のゆく焼き上がりで、安心しました。
焼きあがりを縁側に並べてみました。窯内を5段の棚板で、写真のこの量で、これが今のお窯のいっぱいいっぱいです。
写真の右下の香取線香は、これからの季節ここでは必需品です。足元に2つと腰からも下げても、しつこく刺しにきます。
飴釉椿文大皿
昨日の窯出しのつづきです。
作陶を続ける限りは、いつも新しいものにトライしてゆきたい。
去年とは違うものを作る今年でありたいと思う。そういう意味で”変わらなきゃ”は、僕にとって良くも悪くも大切なキーワードです。
昨年暮れから描き始めた椿柄も、そろそろ終わりにしようと考えていましたから、今回は思い切って、信楽の赤土を使って椿文の大皿を作ってみました。
花と蕾の部分だけに白化粧土を施し花弁を線描きし、その他には抽象的な掻き落とし柄を存分に入れて素焼しました。素焼き後、雄しべと雌しべのある花心には、茶呉須をぬった後に透明釉を施し、それ以外には黒釉で茎と葉を描き、そこに飴釉を薄めにして流し掛けして、本焼成しました。
飴釉の釉調の濃い部分が赤く発色し、茎や葉の黒と、花や蕾の白化粧とのカラーバランスと、掻き落としの抽象柄が面白い30cm台の大皿が偶然にも焼き上がりました。
この椿文の皿を最後にするつもりで、思い切ったことをして、思わぬ効果を得ることができるなんて、ホント不思議です。
次回にはもう一度、この方法で椿文の器と、ひなげしの柄のものを、やろうと思っています。やっぱり、僕にとって”変わらなきゃ”は、良くも悪くも大切なキーワードです。
窯出しの続き
またまた、窯出しの続きです。
一昨日から東京の自宅です。山之郷は、からっとしていて気持ちいい季節だったのに、東京はなんて蒸し暑いんだろう。5月だって言うのに、どうかしてませんか。
昨日の孫の運動会と、仕事の打ち合わせと、通院のための数日の帰宅予定でしたが、もう既に暑さで疲れ果てています。
真夏も真冬も、東京と山之郷の温度差は5~6度も低く、真夏のほとんどは山之郷で、そして寒いのが苦手なものですから、真冬の3か月間は東京で冬籠りです。そうして冬の時期の暖かい東京で、集中的に手びねりのお抹茶茶碗と手付きカップを作ることになります。
この冬作った、100個近くの黄瀬戸の手付きカップは、今回の本焼成で終わりです。掻き落とし柄に白化粧土を象嵌したり、大好きな佐伯祐三のパリの風景画の壁をイメージして、柚子肌天目で汚しをしたりと……。いろいろやってみましたが、納得出来たものは半分ぐらいになってしまいました。それでもこれが最後です。またまた新しい次の手付きカップを探しにゆきます。
そろそろ梅雨入り
つい先達ての芽吹きが嘘のように、駒沢公園の欅並木は濃い緑の色に変わっています。今日から6月。早朝だというのに、充分に一人前の真夏の白い陽ざしが、歩道に黒々とした影を落としています。
自宅から最寄りの駅まで、12分ほどですが、この公園を通ると20分はかかってしまいます。それでもここを通るのが好きで、今日も早目に自宅を出てきました。仕事に向かう途中です。
早朝の冷たい空気が鼻腔をくすぐります。さまざまな植物達が醸し出す、さまざまな香りが重なり合い、静かで地味だけどグリーンノート調の爽やかで芳しい香りがします。気持ちのいい朝に、体に美味ないい香りがします。
深呼吸をして、急ぎ足で駅まで……。今日から明日の午前中の打ち合わせまでは、仕事モードです。そして夕方からは山之郷です。楽しみな作陶三昧の日々が、そして犬のような猫の白吉も待っています。
無作為の作為
一週間留守にしたアトリエの庭は、花と雑草が入り乱れぼうぼうです。花やハーブやミントのいい香りがしますが、もう足の踏み場もないほどのジャングルです。
この庭は妻の領域です。草刈や土起こしや枝落としなどの労働を、ただただ妻の命じるままに提供しています。
そして、さまざまな花や木が雑然と、何の法則も感じられないまま、育っている状態です。雑草が無くても、少々ぼうぼうの感じがしますが、僕には何とも心地のいい庭になっています。
ご近所からいただく花も木も、好きで購入したものも山で拾った種も、さまざまに育っています。虫に食べられながらも育っています。
作為がまったく感じられないこの庭が、僕は好きです。
防災用品
信楽の土で作ったキャンドルスタンドです。
一時期アトリエ周辺は停電が多く、最初の頃に防災用品として作ったものです。
これを使う時は暗闇で心細い思いをしているか、怖いことが起こっているはずですから、”父と子と聖霊”の三文字がラテン語で印字してあります。これで上手く最後の心の準備もできればいいのですが……。
きっと娑婆が魅力的だから、未練たらたらでジタバタしてるんだろうなぁ~。
信楽の白土2に対して赤土1に鍋土を15%加え、素焼き後に土灰透明釉薬を霧吹きでムラ掛けして、全体に緋色を出しました。
和ろうそくは、昨年滋賀に出張の際のお土産で買ってきたものです。びっくり、さすがの和ろうそく、いやいや全然違います。火持ちが良くて明るくて、昔からの物って凄いの一言です。恐れ入りました。
背景の水屋は、貧乏なのに昨年思わず衝動買いをしてしまい、妻とひと悶着の曰く因縁つきの水屋です。このお話は、また後日。
いよいよ梅雨入り。
昨日は、早朝からアトリエのあるここのコミュニティーの、草刈りと側溝の大掃除でした。草刈機で2回ほど給油して、そのままアトリエの南西側の庭も、何とかやっつけることができました。前日までの涼しさから一変、朝からの陽ざしに一汗かいてしまいました。
ここのコミュニティーは、アトリエを入れて全部で11世帯で、村とは別の独自の社会を形成しています。ごみ置き場も道も自分たちで、草刈りや木々の枝落としや側溝の維持管理も、自分たちですることになります。
年に数回、ご近所さんと一緒に汗を流す、ちょっとしたイベントです。
早朝から5時間、腰痛も始まり少々疲れたけれど、久しぶりにご近所さんと楽しくお話しができ、そして道や周辺が綺麗になりました。
綺麗になった道で、白吉も気持ち良さそうです。
それにしても、今日もまだ腰痛が続いています。参った~っ。
手びねりの湯呑
白象嵌の手びねりの6つ足湯呑3点です。
鉄分の多い粘土の焦げ茶色と、幾何学的な白の柄とのコントラストが、ちょっとお気に入りなんですが……。
信楽の特選赤土で成形~高台削り後、針で幾何学模様の線を描いてゆきます。掻き落とし柄とは言うものの、針先で削るというより、針のお腹を使って押すような感じで描きます。大小の丸は、焼き鳥の竹串元と丸箸の先と元とで、大小の丸を押して作ります。
ここで良く乾燥させてから、一回目の素焼きに入れます。素焼き後、濃い目の白化粧土をスポンジで柄に擦り込むようにしてゆきます。全体に乾きがきたところで、軽く絞ったスポンジで柄を確認しながら綺麗に拭きとります。口周りや足周りには化粧土を残し景色にします。
そして二回目の素焼きをし、丁寧にペーパーやすりで仕上げたのち、薄めの透明釉薬を霧吹きで施釉し、1,250度で本焼成しました。
〈残念だったなぁ〉
せっかくの手びねりなんだから、もっと指あと残せばよかったなぁ。
そして、そして、薄く作り過ぎたせいで、熱いお茶を入れるとアッチッチ……。
カフェ マキネッタ
作陶時、特に電動ろくろでの成形は、持病の腰痛の最大の原因になっています。時間を忘れて長くやり過ぎてしまった時などは、痛ったたたっと言いながら、まずは立ち上がり腰を伸ばします。そして歩くのがいいようで、よほどの雨でない限り、お散歩は必須の日課になってしまっています。そして、そのお散歩の途中や帰り道に、寄ってしまうのが、アトリエから程よい距離のカフェ マキネッタです。
このカフェをやっている林さんは、物腰が柔らかい静かな話し方をする方で、そして全てが丁寧です。庭の草刈から、ストーブの薪の積み方、勿論コーヒーやティーをいれる所作一つ一つまでもがです。
アメリカン タバーン(田舎の馬屋や納屋)イメージでしょうか。暖かな木の温もりが感じられる、ウッディーな雰囲気が素敵です。林さんの人柄そのままが、カフェになったようです。
コーヒーが飲めない僕は、いつもダージリンです。
このカフェの雰囲気も、林さんとの会話も、タージリンも、僕には欠かすことができない美味です。
トカゲの森
孫と一緒に作った、アトリエの玄関の塀の上に置く魔除けです。
タイトルは、孫がつけた”トカゲの森”です。
アトリエに遊びに来てくれた時には、必ず一日は一緒に粘土遊びをすることになっています。
春になると、アトリエの庭や濡れ縁の陽だまりに、トカゲがお昼くらいまで日向ぼっこをしています。茶色やターコイズブルーやピンキッシュのやつと、なかなかカラフルです。体が温まるまでは、少々触られても動けないようで可愛いものです。ピンキッシュオーカーのトカゲには、桃子という名前までついています。濡れ縁で花のスケッチをしていると、時々このスケッチブックを占領されてしまいます。人に慣れているトカゲなんているわけがないのにと、孫と一緒に笑ってしまいます。最初は怖がっていた孫も、今では人に悪さをしないトカゲに慣れたようで、このトカゲの作品になったようです。
大きな鱗のついたトカゲや目玉の大きなトカゲが、何匹も静かに幸せに住む不思議な森だそうです。
孫の自由な発想に、いつも驚かされることばかりで、僕が一緒に遊んで貰っているというのが本当のところでしょうか。